まっ白な空間。 すべてが光に包まれ、ふわふわと漂っているような浮遊感。彼は自分の体が、妙に軽くなっていることに気がつく。軽くなっているのは体だけではなかった。意識もふわふわと脈絡なく彷徨い、体から... 続きを読む
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リレー小説『ラスト・フォーティーン』 第二六節「サイレント・ナイト」Part-2/諌山 裕
理奈とアンドルーがサバイバル生活を始めて、三五日が経っていた。三五日生き延びたというのが正しいかもしれない。 昼間の紫外線と熱さを避けて、朝方と夕暮れに活動し、食べられそうな植物や果実を探した。と... 続きを読む
リレー小説『ラスト・フォーティーン』 第二十節「波紋」/森村ゆうり
本来なら昼の光が差し込んでくるはずの窓という窓には暗幕が張られ、第一体育館はただ一ヶ所を除いては暗く静かだった。人々が息を殺して見詰める先には、明るく照らし出された舞台があった。 引き込まれる。 ... 続きを読む
リレー小説『ラスト・フォーティーン』 第五節「過ぎし日々の想い」/諌山 裕
乾燥し荒れ果てた大地――。 砂塵をかぶって埋もれたアスファルトが、干上がった湖底のようにひび割れてささくれ立っている。かろうじて道路の名残とわかる道筋を、体全体をすっぽりと防護するスーツを着て、ひ... 続きを読む
リレー小説『ラスト・フォーティーン』 第二節「二〇〇二年、夏」/諌山 裕
蝉が鳴いている。 真夏日が続いて、夜になっても湿気を含んだ空気が漂い、暑く寝苦しかった。異常気象が騒がれはじめて久しいが、毎年のように猛暑だ冷夏だと一時的な感心は引くものの、問題にされるのはビー... 続きを読む