「まさか、お前とこういうことになるとは、な」 少年は唇をゆがめ、手にした得物に力をこめた。 「……それは……こっちの台詞さ」 相対するもう一人の少年は目を細め、身をかがめた。 「でも……も... 続きを読む
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リレー小説『ラスト・フォーティーン』 第二節「二〇〇二年、夏」/諌山 裕
蝉が鳴いている。 真夏日が続いて、夜になっても湿気を含んだ空気が漂い、暑く寝苦しかった。異常気象が騒がれはじめて久しいが、毎年のように猛暑だ冷夏だと一時的な感心は引くものの、問題にされるのはビー... 続きを読む