リレー小説『ラスト・フォーティーン』 第二六節「サイレント・ナイト」Part-3/諌山 裕

「見て、あの稜線には見覚えがあるわ!」理奈は指さした。  乾燥した荒れ地の西に、砂塵に霞む山々の稜線が地平線の上に浮かんでいた。太陽は昇ったばかりだったが、早くも大地を暑く熱し始めていた。 「ああ、た... 続きを読む

リレー小説『ラスト・フォーティーン』 第二一節「ミス・マリア」<前半>/諌山 裕

 銀河の星々を映しだす天体測定ラボ――。  理科室はスタートレック・ボイジャーの天体測定ラボへと様変わりしている。ベニヤ板とダンボールと発泡スチロールを使い、天文部員の作った粗末なセットではあるが、雰... 続きを読む

リレー小説『ラスト・フォーティーン』 第十五節「時を賭けた少年少女たち」/諌山 裕

“そう、そうなのか、ここへ人々がやってくるのは、生きようがためのことなのか。ぼくはむしろ、ここでは何もかも死んでゆく、と言いたいくらいだ。”  ―――――ライナ・マリア・リルケ著「マルテの手記」の一節... 続きを読む